雑談スレッド5[654]
2004 09/23 01:32
エズミ

村上春樹の長編関連。
私は、彼の小説は長ければ長いほど、好きです。短編は「ジャック、のぼってた豆の木は途中で折れてた」みたいな気分になります。物語が長ければ長いほど「人間の何かに賭けてみる気持ち」のようなものに触れるような気がします。人同士が離れていくようにみえるのに、どうしても「寄り添おうとする何か」が働いているようにしか思えなかった。例えば、ねじまき鳥にでてくる「乱杭歯の人間的に品性のない感じのするいやな男」(名前忘れたすみません)を描くときでも、人物に対して「書き捨てる」とか、さらし者にするようなことはしていないと思います。なんというか、「いかなる人物でも言い分は、まず聞く」みたいな姿勢をかんじるのです。
「自分から一番遠いのは自分、なのに触れることができる」みたいな、一種の生きのびる確信に触れる気がするのです。
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