04/26 11:57
川村 透
佐々さん、皆さんSF好きが多くてなんか不思議ですね。僕は中学生の頃の夢はSF作家になることだったのです。高校くらいのときだったか、SFマガジンで豊田有恒さんがショートショートの投稿欄の選者をやっていた頃によく投稿したものです。もちろんみんな没で一度だけ豊田さんから短評をいただいた程度でしたけれど。同時期投稿していて目立っていたのが岬兄吾さんでした。高井信さんもいたんだっけか。僕は実は偶然彼と同じモチーフを思いついていて、それは言葉に関するものだったけれど、どうしてもうまくかけないでいたところ、見事に先を越されそのぼぼ同じアイディアで切れ味のいい良質の奴を書かれてしまったんで、それ以来ショートショート書いていないのです。当時、僕はプロットを立て、書いても書いてもズレた「表現」の部分だけがふくらみ決めたはずのプロットがだいなしになってどこかへいってしまうのでした。僕はまだ「詩」というものに出会ってはいなかったけれど、それはまぎれもなく散文詩としかいいようのないモノであったのです。僕は散文詩という言葉すらろくに知らなかった。ただ、SFが好きな内向的な少年に過ぎなかったのです。かっこつけて「非A」がどうのこうのと文庫本を持ち歩いていたけれどほんとうに好きだったのは、シェクリィだったり、ブラッドベリだったり、ブラウンだったり星新一だったりツツイだったり小松だったり平井だったり、したのです。ニュー・ウェーブに訳もわからず憧れていました。川又千秋が好きでした。彼の評論のリリカルなスノビズムが。