雑談スレッド5[105]
04/22 22:44
佐々宝砂

新井素子は、ずうっと『…絶句』または『あなたにここにいてほしい』が好きだと思ってたのですが、ごく最近になって、私は新井素子作品の中で「星へ行く船」シリーズがいちばん好きなんだと気づきました。うまく言えないんだけれども、私は、たぶん、ファンタジスト、普通の小説家、またはエッセイスト、あるいはぬいぐるみ研究家としての新井素子よりも、SF作家新井素子が好きなのです。「大きな壁の中と外」は面白かった、あれを私が読んだのはいくつのときだったか。私はミュウがかわいそうでならなくて、自分がミュウのような気がしました。私が最初に出会った新井素子作品は、おそらくSFM掲載の「ネプチューン」、あの小説はいま読み返してみてもきっと好きだなと思います、きっと。茶色い未来の海があって、映像化された過去(つまり現在)の青い海があって、さらにさらに大昔の先カンブリアの海があって。それでやっぱりSFなのだから、宇宙です、新井素子が書いたSFらしいSFのうち、宇宙船らしい宇宙船がでてきて、宇宙っぽい描写がされ、しかも『チグリスとユーフラテス』のごとき重いテーマは持たないのーてんききわまりない昔懐かしスペースオペラSF大活劇といったら、「星へ行く船」シリーズだけ! というほどの作品では、実際は、ないのだけれど、今おもえば、私は「星へ行く船」シリーズがいちばん好きです。
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