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あなたの言葉を プレパラートにのせて ほんのひと雫の水をたらし 顕微鏡で覗いてみると 黒枠の 光のスペクトルの中に やまなしが 浮かび 風に揺らめく カーテンが 琥珀の日の光を浴びる ひとつの 川になりました 眠らない魚を はなしてみると 水面にするりと 滑り込み 背の鋼色をきらめかせ すいすいと アメンボやくらむぼんと 一緒に 滑ってゆきます 西日が差すと 川底で揺らめく 光の網は そのつど その輝きを増し 流れるあわ粒や芥が 濃い影を落とします その営みは いつまでも続くようでいて 実は束の間の出来事でした 揺らめく光に寄せるように 砂のかけらが いくつもいくつも キラリキラリと光ります。 でも 手に取ろうとしてみると ぱりんと 砕けてしまうのです 記憶は消えてゆきました 夏の終わりのことでした by たこ 胎児の世界のような光との隔たり なまあたたかな童化の中 そらみみのように遠くに聞こえる成功者の声は まるで天界の人のよう 蜘蛛の糸のカンダタを笑えない 鋼鉄のように重い身体は警鐘か 昇れ 混沌に溺れている場合じゃない あぶくよ もっと 告白しろ 雲間の繊維から垣間見える 碧さへの羨望を叫べ ただ逢いたいだけ 空に出たいだけ by るるりら
例えば 朝日が昇る丘の上で、 京子と昇は夕日を見ながら 手を握り 愛を語っていた 突然背後から 山姥が出てきて 二人の間を通り過ぎ、 妊娠するじゃないの、 このやろう、と言って 去っていった という詩があり、それを自分風に書き換えるわけです。 妊娠するじゃない、 朝日が昇る、 丘の上で、 握られた手から、 通り過ぎた、 背後の、 去っていた、 ものたちだけが残り、 このやろう、と、 言い残された、 ものだけが、 夕日を登った みたいに。勿論、書き換えられた作品を書くことは同時に読むことなので、自分なりの解釈で拡張してしまっていいです。 例えば上記の作品を拡張するなら(または別の物語に接続するなら) 妊娠したままの、 朝日が、 丘の上で踊り、 握られた手からは、 言い残されたものだけが残ったままの、 姿で、背後に置かれ、 山姥の、悲しみからは遠く、 去っていったものだけが残る、 それを見て、 通り過ぎる、 人々の、 夕日を登る みたいに。 書き換えられた作品を、さらに書き換え、またそれを書き換え、と延々と繰り返していくスレッドです。尚、途中書き換えがあまりにも長くなり、勢いなどがうせてきた場合は、スレオペが打ち切りを宣言し、流れを止め、新規作品の投稿から仕切りなおして一からまた同じことを初めます。このスレは、詩が書き手によってどう変化していくのかを楽しんだり、他の書き手の癖や手法などを見て自分の詩作に取り入れたりするための修行の場としても楽しめます。 夜ともなく昼ともなく そこかしこを じっくりとみつめ ときおり きみのまぶたは さやばねのように こまかく またたく あらゆるものに おどろくたびに 黒目がちな瞳の中に うるうると水がたくわえられるものだから さいわいなことに きみのふたつのまなこにうつる世界は うるおいを 永遠に そこなわない伝説の泉のようだ まぶたが だんだんおもくなっても きみはさらに泣くものだから そのうちに まぶたのうらがわに星がうまれ 最初は七星だった星は しだいに無数に きらめき やがて銀河となってながれはじめ ああ きみは しずかに舟をこぐ 夜のものでも 昼間のものでもなく 天道をめぐる 小さな虫よ はてしなく、はてなく 上り、昇り 君が銀河をめぐるとき 君のおくり翅が描く軌道は いつか、もときた 地点に至る 永遠に巡り 繰り返し、たどりつき 君の場所はどこなのか 僕は 空に散らばった 幸せを、拾って集めようと おもう。 (あめゆじゅとてきてけんじゃ) あぁ、 きみのさやばねの 水玉模様が いたるところ いたるところに。 * 《 DEBUGGER 》 赤き太陽虫よ どこ迄も 登れ 黒き斑紋を背負って 蜘蛛や 嘴を 震わし 幸運を這わす 半球体の聖母よ 一際目立つ気高き苦さで * てんとうむしよ 君はてんとうむしだから 月のない空を渡るのか それとも 燃えてしまったのか 水玉模様の羽根にかくした うすい羽 彗星の尾っぽを なびかせて いつかは居なくなって しまうからね 僕もいなくなって しまったら 散らばった黒檀を 拾い集め 銀のススキの上を 歩こうか 僕は夜の列車に乗って 君の軌跡を辿ろうと思う 赤く燃える石炭が ぶつかりあって 小さくはぜる 5月のひかりの 気層の底に 物体が燃えている感覚が燃えている想いが燃えている行動が燃えて 意志が燃え認識がもえている それぞれの炎がお互いをたぎらせ融合し 散光星雲の光のように燃えている 光の雲の中心にある馬頭の黒い形が わたしの海馬に語りかける ちいさな二匹の海馬を有する人よ 星にも寿命があるのだよ 首をはげしく横にふり いやいやをしながらも わたしの指先は燃えている 虹色の明るい影をふりまきながら わたしのすべてが砂になろうとしている * 細い細い砂山は 伸びでた一頭の獣の首 蹲ることもできず 枯れ果てし 散りゆく波打ち際 耳を澄ます月が 寂しさに馴れた門のように 開かずにいた薄眼を 今そっと開く時 にぶく響かせた最後の羽音のように 水煙りのなかへ、突如急激に 傾斜して消えた感情の片影 * 砂をうるおす 一粒の泉は 僕の心の拠り所 うたう心に身をゆだね リラのサバンナの草の匂い 黄色い砂とわらぼうし 干からびながら 何も残さず サバンナ心を 手のひらに遺し 僕は砂漠を歩くのか 地平線のはての 地球のうらがわ 飛び立つ虫の 小さな羽音(エフェクト) は 僕の心を震わせる だから僕は うたおうと思う 小さなうたを 今日も 明日も あかいなみだの 天道 ひろげた僕の こころ あをい空の ミイラ いかりでびっくり どくろ 黄砂で見えず うたう まいにち僕は うたう 干からびながら こころ 何にも残こさず うたう みずみずしい みずを すがすがしい くもを おいかけよう ゆめを てんとうむしよ とべよ (宮沢賢治の星めぐりの歌のパクリ) てんとう虫の赤い涙に 僕は心を震わせる 砂ばかりの 毎日だ 忙しかって、干からびて 何にも残っちゃいないんだ 新しく続くこの道 行き先はなにも見えないや てんとう虫のとまる あおあおとした葉っぱ 指を伸ばすと 止まってくれた あぁ、でも 嬉しかったのは つかの間! 指先を登り尽くしたら 飛んでいってしまったよ。 スイング・フランは魔法の言葉 黄色い帽子をちょこんと被り てんとう虫を小指に乗せて いい気分で歩こうか 新しい道を進む時 人の心はいつでもヒヨコ 胸は不安に締め付けられて 反面 期待で膨らんでもいる スイング・フラン 忙しいもんだ! 殻を内側からつつくおとにあわせて 親鳥が卵 をつついているよ 親鳥のいうことにゃ 殻を外側からつつけと問われたカラつつくカラね 内側の音と外側の音とが やみくもにたたいていタラね いつしか ふたつの音がいいかんじにスイングリズム 親鳥が闇しかしらない雛のことばかりおもっていたある日 ほっかりあいた卵の外に出た雛に目もくらむ光の世界 いつしか はじめて歩く人のように よちよちと黄色の足を踏み出せば 風の音にあわせて 羽根が乾いて 内側の心臓の鼓動と外側の羽根音が ふたつの音が いい感じスイングしてね いい感じに羽ばたいていくのは神技だ ひかりとかげが またたいて喝采だ くわっくわっくわ 殻にこもっていないで 出ておいで 悲しい世界はもう去った 黄色い小さな足で 浜辺を歩こう さざ波をたてる 風の唄をきけ 生誕の 神話のその先へ 白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白 白い粉が湿っててさ漂っててさ揺らて照る白 白い巻貝の螺管の陥没はアンモナイトの面白 白い体が全然乾かないんだっていい加減に白 白い謎として掲示された進化は退化か黒か白 白い体のぬじれ異常巻きアンモナイトどう白 白い世界で死んだような臭いがしていたよ白 白い家の夏の浜辺でやけに痛い日焼け跡の白 白い世界で死んだような臭いがしていたよ白 白く狂っているんだよ巻貝は螺旋でないに白 白い手腕はすこし海の匂いをしてまぶしい白 白く自由に動くカーテンの揺らぎの抱擁を白 白い白い、白い世界で、白く白く真っ白い白 白さが全然乾かないんだよチリチリイタイ白 白だわ私。これほど歪むつもりないのにな白 白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白 夏の浜辺で 死んだような臭いがしていたよ 海の匂いだよ 白い家の カーテンの揺らぎから 漂って チリチリ やけに痛くって 油彩の絵の具を 乾くまで いつまでも、いつまで重ねてさ 全然乾かないんだよ 白い粉が湿っててさ 眩しくって仕方がない。 あゝ 白い、白い世界が、 白い、白い、白い。 白い、白い世界で 白い、白い、白い。 運命の輪が回っていたんだ。 巻貝の螺管が陥没してるのに 狂っているんだ。 おかまいなしに回っている 遠い記憶の中の 二階への階段を登ると 行く手に 二つの部屋がある 片方の部屋からは えもいわれぬ臭気が漂っている ふすまをあけると 大きな白いキャンバス 画板にいっぱいに広がる白い粉の平原だ もう何日も透明な顔料画板塗り重ねられている 角度によって微細の粒子が それぞれ乱反射して 薄暗い部屋の片隅で 深い眠りのように白いのは 白い粉が 貝殻を原料とした顔料だからかもしれない 乾くまでは いつまでもいつまでも死んだ海の匂いがする 死んだ海の匂いの隣は、少女の部屋 カーテンを すこしあけると あっという間に ひかりがさしこんで 少女の部屋は なんだか きやきやする 鏡の中から彼女の声が聴こえる (今日は、貝を種としてみようかな まずは双葉のような伸び もしかしたら わたしはビーナスじゃないかしらん だって 二枚貝の内側に光が入ったみたいに 綺麗な朝ですもの) !!『おまえの光は今どこにあるぅ』!!by シェークスピア リア王 かがみのまえで三回回転しながら 劇ぽくつぶやいてみる 「わたしのひかりは ここでーーーーーす。」 君を夏の日に喩えようか Shall I compare thee to a summer's day? いいや、君の方が美しく、穏やかだ。 Thou art more lovely and more temperate: by 恋に落ちたシェークスピア 乳白色の優しさの 内側に満たされた 喜びが きやきやしている。 びろうどのように 繊細な光沢をはなつ 澱粉を苗床にして 明日、 雨が上がったら きっと芽を出すのだろう。 朝ぼらけ。青い 玉手箱(エクラン)が ふくらむ夢に満ちている それは、 きっとシェイクスピアの ナッツシェル。 儚く永遠の宇宙を宿す 黒く硬い種 芽生えて出会う 空を夢見つつ もう、 遠い記憶で つながりながら。 白い朝 ステンレスにこぼれた 黴の匂いのする土から ほどけるように根が現れた 生き方を露わにするかのような白く太い根 イイね ふるえた私の指と心が共感してる 蒼い現象です はじきを手にする人のように孕み膨らむ欲動を ひとつぶのアボガドの種が湛ています 極彩色の異国で培われた花々の波乱に満ちた強欲を 薄曇りする空を見上げたことのない種が 湛ています 生々しく横たわる根を そっと救い上げ 珈琲の空き瓶に水を張り 慎重に置くと 無心に身を任せること能わずに 先細りする白い触手を 下へ下へ ふるえるように白い根を 伸ばし、伸ばし、 伸ばしてゆく幾日もいくのです 幾日も幾日も 伸ばし続けたある日 種は、ぱっくりと口をあける 種は、種自身を ぱっくりと二つに分かつ ふたてに分かれたハザマから ちいさなちいさな芽を 伸ばすではないですか 孕む命と渾身の力を持って 自身を分断した種の 鬼火のような蒼い現象 凛と露を 芽の内部の最先端に登らせて ちろと のぞく 命のホトバシリよ 虹に両端があるように 自身を分断したアボガドの種は つねにふるえながら虹のよう いつかは消える虹のよう 種の内部に光る 喜びに似た優しみの乳白色 虹のかかる 白い朝に 湿った古い庭の ひな壇に植えられた花々は 喪に服される人の祭壇を飾るように見えて 凛と雨露をしたたらせ 薄曇りする空を見上げ やわらかな花弁を広げ しずしずと しずしずと 足元の黴の匂いのする土に ふるえるように白い根を 先細りする白い触手を 下へ下へ 絶え間なく、絶え間なく 伸ばし、伸ばし、伸ばしてゆく ちろちろとのぞく 赤いめしべよ ざらざらとした風に身を委ね 君はじきに孕み膨らみ ぽとりと下に落ちるのだ ぱっくりと口をあけて 渾身の力で大気をうけとめ 上にも下にも目一杯に伸び 枯れはじめた草木に 色を添え 孕む命と 空気の重みに耐えきれず やがて朽ちてしぼんでゆく 僕は時に悲しくなるのだ 鎖に繋がれているということが。 君は根をはり大地を仰ぎ また地上にあらわれる わたくしという 鬼火のような蒼き現象は 無心に身を任せること能わずに だだ怯えている 怯えている。 いままさに午前が虹になろうとしている 切望するクロッサンドラの花がまっすぐに見上げた満天の空は カッサンドラの群青の空と繋がっている 生きていますよ わたしがだれかとお尋ねですか? ただの草花ですよ ただいま地下へと根を より深くより広くと伸ばしているところですよ 大地を ゆっくりと私の根で動かしているところです ふかい場所から ゆっくりと 水を吸い上げているのです コンクリートに覆われた道であっても わたしたち植物の唯識を探る力をもって進めば 水を掘り当てることができるのです スコップではだめですね 大地を かっさろうとするのではなく 地球の裏側で咲く花を想像してみてください 全身で大地にくちずけしている花々が アスファルト舗装をゆるやかに崩壊させていますわ 絶望するカッサンドラの群青の空に なりっぱなしのカーラジオが 火炎放射器のように喚き立てる午後2時半、 スクランブル交差点のインターセクションで、 僕は乱立するビル群の垂直線と送電線に切り刻まれた空を仰いで叫んでみる 生きていますか? どこにいますか? あなたは誰ですか? 地団駄を踏んでも動かない大地。 水は一体どこにあるのか? コンクリートに覆われた道を スコップで一生懸命掘ってみたところで湧き出る水はない。 カッサンドラの空を切り取る巨体なLEDのスクリーンから、壊れたように流れる泥水と土砂で潰された家々。 もう、いっぱいだ。石と砂を飲み食わされて、もう、いっぱいだ。 ばかやろう。世界は君に何をした? 僕らは世界に何をした? 隊列を組んだ入道雲の大群が、黙々と空と大地を圧迫し僕らを押しつぶす。 絶望的な群青色の空で蝉がわめきたてる季節がやってくる。 世界は君に何をしたのか? 僕らは世界に何をしたのか。 1 2 3 4 5 スレッドを新規に作成したり、コメントを書き込むにはログインが必要です。
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