小さな卓上電熱器の上の湯豆腐を囲む、君と。
虹村 凌

フィード ミィ
箸でフォークでスプーンで指で口で
口でフィード ミィ
天国に飢えている
天国に餓えている
だからフィード ミィ
口で クリープを一緒に フィード ミィ
クリープ クリープ
何時も不思議なクリープ
何時も不明瞭なクリープ
眼鏡ガールと眼鏡スーツみたいに

クリープ
ネガティブクリープ
一日中目の当たりにするドラマの数々に
耐えきれなくなる
クリープ
何の前触れも無く朝は訪れ
何の予兆も無く夜が訪れる
十代だった僕等の目にだけ見えた筈の物は既に遠い
細めても届かない届かない届かない
クリープ
ポジティブクリープ
立っている場所が此の世の中心
脚本演出監督主演
いつかのラインを越えて立っている
煙草のけむりはいつも青いままで

夕暮れ時は何時もドキドキする
何かの予感
途方もない
緊張と解放の飽和した感覚の真ん中で
何かの予感

幼かった頃と変わらない
夕方五時のチャイム
鳴り響く
クリープな音色
青と橙のグラデーションの中から
響くチャイム
紫のグラデーションへ
クリープクリープ
鳴り響く
クリープ
フィード
ミィ
クリープ
フィード
ミィ
眼鏡ガール
フィード ミィ


自由詩 小さな卓上電熱器の上の湯豆腐を囲む、君と。 Copyright 虹村 凌 2007-01-04 21:19:05
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