「 ぶよぶよ。 」
PULL.







ここを漂っている。
ぶよぶよとしている。
意識はあるようでない。
自我なんてそんなものだ。
ぺちゃくちゃと馴れ馴れしく話しかけてくる奴らは、
それが分かってない。
奴らはなんにも分かってない。
ここがどんな空間なのかを忘れてしまったのだ。
ここは響く。
ぶよぶよとしたここはぶよぶよと響く。
奴らの声はなんども反響し、
ここでぶよぶよと響く、
気ぜわしく響く。
耳を塞いでも奴らの悦に入った声は已まない。
ぺちゃくちゃとぺちゃくちゃとぺちゃくちゃとぺちゃぐちゃと、
いつまでも已まない。
ここから出たら真っ先に、
あのうるさい奴らを黙らせてやる。
そう心に決めている。
漂っている。












           了。



自由詩 「 ぶよぶよ。 」 Copyright PULL. 2006-12-25 07:10:55
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