虎 (中島敦「山月記」のオマージュとして)
藍静

 虎になった
 黄色と黒で 都会のようで
 四本しほんの足が 致命的で
 
 神秘と静寂のギリギリに
 透き通るように立ちつくす
 

 虎になった
 爪と牙が 怯えのようで
 叫びの響きが 甘えのようで
 
 獲物を追えば目が眩み
 獲物をめばこころが眩む
 不連続の いのち のみぞ誇り
 

 虎になった
 脆弱なる魂の美意識で


自由詩 虎 (中島敦「山月記」のオマージュとして) Copyright 藍静 2006-12-13 19:25:21縦
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