宵待ちカテドラル
藤原有絵

夕焼け空捕まえて泣いた
切なくて声出して呼んだ

宵待ち竦んでうずくまる
可哀想だなんて
放っておいてほしくて

差し伸べられた手払って
悲しみなど許せないと叫んで

幼い日
川べり
蹴った小石
赤く染まって


目を閉じて今


ふやけそうな傷跡いつか


きっと

きっと

きっと

報いを欲しがらなくても
幸せになっていけるきっと


囁いて揺れるキリン草そっと
耳元をかすめてずっと
煌めいて消えるやっと


開いた手に生まれる方向性
数瞬見えるカテドラルの扉





自由詩 宵待ちカテドラル Copyright 藤原有絵 2006-12-09 01:09:36
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