遠く
肉食のすずめ
遠くで
ずっと 遠くで
美しい人が泣いている
どちらの方角やら
聞こえてくる
祭囃子のスピーカー
日が差す昼の部屋
夕暮れの湿った砂
爛れたアスファルト
目の端の折り紙
遠くで
ずっと 遠くで
私が見つめる曇り空 の下
美しい人は走っていた
ある日
嫁に行く
と
言った
遠くへ
ずっと 遠くへ
美しい人は走って いった
今 どこを走っているのだろう
同じ 顔でうつむいた
私の鼻を
美しい風が ビュッと駆けていった
自由詩
遠く
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肉食のすずめ
2006-12-06 15:13:34
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