夜が揺れて
まどろむ海月







聞きたい声を
花束のさやぎに求め
逢いたい影を
揺れる水面にさがしても


白磁の花瓶は
花を傾けながら落ちていく
闇の波紋が広がって
あの輝きに罅(ひび)が


 夢の夕餉

 失われたソファー

 月下の徒歩

 星への願い


 もう僕たちは
 駄目なんじゃないだろうか

 駄目なんじゃないだろうか

 逢わないことだけが
 遠く偲ぶことだけが
 救いなのかも



夜は哀しみの中でさえ

戯れに揺らぎながら

静かに落ちてゆく












自由詩 夜が揺れて Copyright まどろむ海月 2006-12-01 16:48:41
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