愛ある生活
なを

なにもしないひとになってなまえはてんでに好きなのをお
たがいにえらんでちょっとだけいいこいいこ、って撫でて
もらってから投げ捨てられたい それかスープの具になり
たい 歩きながら食べられて捨てられるくだものの種にな
りたい 時間がすぎるのをいちびょうずつぜんぶ数えてそ
れしかせずにまいにちをすごしてのこりの人生を充実させ
よう 髪の毛みたいに絡まろう う、ふふふふふ、ふとか
笑ってきみに きみわるいよ、とかいっておこられたいな
おひるまでねむって目が醒めておはようっていって笑われ
ておやすみの日の匂いのする蔓草と葉っぱになってねこが
おしっこする土から生えて壁をつたって 屋上までのびて
いきたい 雨を待ってじっと空を眺める 階段のとちゅう
でともだちのまるい綺麗な膝にキスしたいなあ、ておもっ
た かんじやすいきみ かんじやすいことでいままでなに
かいいことはあった の (だれかのゆびが皮膚にふれて 
体温がうすく線のようになめくじの粘液のあとのようにの
こったことをまだわすれられずにいるだけのこと) 尖っ
た歯であたしたちおたがいを噛りあっていい気ぶんになる 
あたしのことなんかベツにわかってもらわへんでもええよ
そのかわりに ね来年の七月はとても忙しくしてようとお
もう 屋上で炎天下でランチ あぶったチキンみたいに内
臓のなかにのこった発熱 ここまではやくはやくはやく生
えておいで かんじやすい蔓草 なつやすみの匂いのする
葉っぱ おやすみおやすみ、おやすみなさい。

肋骨でスープをつくってくつの革をかじって
砂粒をかぞえてまいにちをくらして
300歳くらいまで生きたいな。

それから
おはよう。
(おはよう)


自由詩 愛ある生活 Copyright なを 2003-08-04 19:47:51
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