さびしんぼう
さくらほ

さびしんぼうは
自分にふたをして
こみあげる感情を殺し
涙を流さない
自分まで騙している事を
自分で知っている
本当はね


さびしんぼうは
今日も道端のあちこちに
一つ二つと落ちている誰かの孤独を
探して立っている
自分の孤独と比べては
目を伏せる
比べてもどうにもならぬ事をわかっている
本当はね


夕日がうすぼんやりと
さびしんぼうを染める
長く美しいまつげに彩られた
切れ長のその瞳
明日は何を見るだろう


さびしんぼう
「愛なんて」と言いながら
愛を探している
さびしんぼう
愛はもらうだけじゃなくて
愛は与える事もできるんだよ

さびしんぼう

さびしんぼう

誰かのかたち


自由詩 さびしんぼう Copyright さくらほ 2006-11-17 16:54:38
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