たかいところ
umineko

外が
ひどい雷鳴なので
ベランダから眺めてる
夜を

そこが
どこだかわからない
ただ
重なって空はゆく

見下ろすと
街路樹はミニチュアだ
濡れた道路を
ヘッドライトが舐めてゆく

このまま
わずかに重心を
外に向かってかけたとしたら

私は
私の肉体は
空に向かって飛ぶのだろうか
そうして

私のメール
私の詩
私のことばが
全部全部

切り離され
意味を帯びて
哀しい市場で売られゆく

重心を
わずかに空に倒すだけ

たかいところは
だから苦手だ

小さな勇気を
私に強いる

 
 


自由詩 たかいところ Copyright umineko 2006-11-11 00:22:03縦
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