*午後の空室*
かおる


高く澄み切った青空が
宇宙に向かって
ぽっかり
口を開けている
そんな午後三時二十七分
たそがれまで
ほんの一時間とちょっと
それでも夜になると
街の灯りに負けずに
宇宙はこんなに果てなく広いと
星が煌めきながら謳っているのに
お日さまがどっかり居座っている
お昼過ぎには
光と色が氾濫して
宇宙を隠してしまう
そう、いつの間にか
午後になると
こっそり
宇宙がどこかに遊びにいってしまって
あきのそらがむなしくむろをつくり
地球がひとりぼっちである事に
気がついてないだけなのかもしれない


自由詩 *午後の空室* Copyright かおる 2006-11-08 19:00:39
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