船と涙
水在らあらあ






              ―刺青


そこには船があって
ずっとずっと遠くで
何かを引きずりながら
航海を 続けている

そこには涙があって
ずっとずっと近くで
青空を映しながら
きらめいて 凍えて

くちづけを 運んでいる
それは左腕の 船
くちづけを 待っている
それはみぞおちの 涙

俺は水を知っているから
深く さみしい 水の流れを
その水がおまえの肌の下に流れてゆくから

迷うことはない 迷うことはないんだ
まっすぐに 真摯に 
森を抜けて 砂漠を越えて
おまえに 会いに行けばいい

傷は 洗われて
陽射しを浴びて かわいて
そういうことさ そういうことだぜ
もう 刻まれちまった

心臓と ばらと ナイフと

おまえの 名前と








自由詩 船と涙 Copyright 水在らあらあ 2006-11-07 02:08:31縦
notebook Home 戻る