わたしはくま
恋月 ぴの

わたしはくま
バニーにも
子猫にもなれなかった
ちょっと可愛くない女の子
だって言われても
好きなのは甘いハチミツ
大きな森の小さな家で
あなたと暮らす夢を見る
わたしはくま
バニーにも
子猫にもなれなかった
ちょっとイタズラ好きな女の子
だって言われても
人里にこっそりお邪魔して
ハチミツの次に好きな栗の実をお腹いっぱい
そうそう
栗の花ってどんな匂いだっけ
それって別れたあの子の布団の匂いかも
わたしはくま
セクシーなバニーにも
おしゃれな子猫にもなれなくって
幸せを掴み損ねても平気だよ
だってね
お腹いっぱいに栗の実を食べたら
大きな森の木の下で
フキノトウの季節まで静かに眠るだけ
それでね
幸せ掴んだ夢を見る
あなたと暮らす夢を見る


自由詩 わたしはくま Copyright 恋月 ぴの 2006-11-03 21:36:41縦
notebook Home 戻る