残り物の詩(うた)
恋月 ぴの

どんなに難しい本を読んでいたとしても
喜怒哀楽
たった4文字に人のこころは捕われて
(それってほんとだよ
いつになったら大人になれるのかな
つまらないことに腹を立て
投げつけたことばの痛みやら
癒えぬ傷の深さを判ってはいても
(どうしてかな
今どきの盆栽って流行りらしいけど
盆栽は前からここにあったよ
こころのとげとげしさに
チョキチョキハサミを入れるとき
哀が愛に変わるなら
怒は土に還るのだろうか
方位磁石の針をぐるぐる回したって
再び北と南を指し示すだけ
(でも見つめすぎて目が回ったよ
調子に乗って枝を切りすぎた
わたしの盆栽って不恰好だよね
でもね、いつかは元の姿に戻るんだ
それが生きるということ
肩の力を抜いて生きるっていうこと
泣いたそばからもう笑う
怒が土に還って喜と楽が残ったなら
気楽で行こうよ、明日から


自由詩 残り物の詩(うた) Copyright 恋月 ぴの 2006-10-21 21:14:50
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優しさを忘れないように