真夜中の虹
虹村 凌


それはまるで真夜中の虹のようで

***

真夜中に意味も無く外を歩き回って
意味も無く兄弟が増えて行く
煙草は見る間に減って行き
気付けば財布も空になって

真っ暗な部屋の中から
あのに橋がかかっているのが見えたんだ
そいつはまるで真夜中の虹のようで

***

真っ暗な部屋の中でずっとうずくまって
今日一日の事を後悔するんだ
今日も殺してしまいました
懺悔しては明日も殺すんだぜ
お前があの女だったら
いますぐに抱きしめてしまいたいのに
今この目の前にいる女を抱きしめる事はしない
そして真夜中の虹のように微笑む

***

真っ暗い部屋の中に差し込む光は極彩色
それはまるで真夜中の虹のように
キラキラと光ってはすぐに消える

***

川辺に辿り着いて
それでもずっと夢を見ている
真夜中の虹にみえはそいつは
やっぱりただの橋でしかなくて
うなだれて帰ってきたのを覚えている
振り返ればそこには綺麗な橋
そいつはやっぱり
真っ暗な闇の中で光る真夜中の虹だった


自由詩 真夜中の虹 Copyright 虹村 凌 2006-10-21 10:22:39
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