柿の実
服部 剛

秋風に揺られ 
無数に実りゆく 
夜の小さい太陽達 
 
今にも落ちそうな実に 
枝はしなる 

自分らしく熟れるのを待つ
世界中の人々のように
ぶら下がる無数の実が
枝から離れるまで  
幹を据え
重みに耐えながら
それぞれの実を唄わせて
秋風に揺られている 

枝から ぽとん と落ちた実を 
夜明けの道の向こうから
誰かが拾いにやって来る 





自由詩 柿の実 Copyright 服部 剛 2006-10-19 01:21:06
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