シンデレラ・ハネムーン
恋月 ぴの

わたしだって
夢見るおんなでいたいから
満月の夜
かぼちゃの馬車に乗り
お城の舞踏会にでも繰り出して
素敵な王子様と踊ったら
ガラスの靴の片方をわざと忘れてしまう
Shall we dance?
素敵な王子様と出会って何がしたいのだろう
おしゃべりして
お食事して
手を握って
抱き合ってキスして
ふたりの赤ちゃん作って
それって恋って名の本能に導かれ
遺伝子のおもむくままに…
でも、それじゃあ
あまりにも当たり前過ぎる気がする
わたしだって
夢見るおんなでいたいから
満月の夜
ハンプティダンプティの囁きに誘われて
かぼちゃの馬車でハネムーン
騙されたってかまわない
偽りだらけの生き方
朝になって目覚めれば総てをリセット
終わりは始まり
始まりはうっとうしいだけ
実現しないから夢見ていられる
わたしは
夢見るおんなでいたいだけ



自由詩 シンデレラ・ハネムーン Copyright 恋月 ぴの 2006-10-15 23:49:51
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