青方偏移
半知半能


見つめ合って私ではないのがあなたです
目が覚めて一言目
やさしく囁いた


青い夢を見ていた気がする


一日の始まりに飲む苦いコーヒーが
私の中に少しずつたまっていく
あなたそういえばコーヒーが嫌いだった
必死に私の胸の中の黒いどろどろを
青くしてくれてた
そういう慈しみの方法を知っていた

今は私ひとり



部屋のドアを開ける
今日も私は世界の中に飛び出して「私」になる
失う記憶は無いけれど
あったものが見つからない
一歩踏み出して
視界の端にあなたがいないだろうか
探している
ふり


青い夢を見ていた気がする
青いあなたがいた気がする

青い季節は過ぎ
秋がありもう冬が来る
時々広がる澄みきった空に
懐かしい匂いがあって
ふっと
手を伸ばして
沈んでいきたくなる
空に



自由詩 青方偏移 Copyright 半知半能 2006-10-15 08:05:49
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