ビルの谷間に置いてきた
虹村 凌

うそつきが夜を歩くよ
煙草の煙とても白くて
思わず笑った
思わず泣いた
それは嘘
泣いてなんかない
泣いてなんかない

嘘吐きが夜を歩くよ
街の明かりが
河に優しく突き刺さる
ゆるりゆるゆる
河に優しく突き刺さる
遠く遠くの向こう岸
夢見る嘘吐き夜を行く

煙草の煙とても白くて


自由詩 ビルの谷間に置いてきた Copyright 虹村 凌 2006-10-12 04:37:17
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