秋桜(こすもす)
銀猫

茜の風に肩を撫でられ
少し頬染め
薄紅色に髪が笑う

少女の儚い夢のように
秋桜揺れては
深い空に落ちてゆく

花びらが落ちた空には
ほんのり波紋のうろこ雲
今日が秋だと告げている


時折風にめくられる、
古い日付の日記には
いつかのきみの約束があり
ありふれた未来が
もう滲みのように色褪せて
読めない文字に変わっている
変わらぬものは
季節の巡り、巡り


秋桜群れて
夢を咲いて
空にゆっくり落ちてゆく

茜は
さや、むらさき
夜を怖がる子供に戻り
細い手を絡めて
 
 秋桜
  風に





自由詩 秋桜(こすもす) Copyright 銀猫 2006-10-11 19:52:27縦
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あきの花