雨降り十五夜
LEO

 
今宵十五夜の月を
楽しみにしておりましたのに
朝から硝子窓を濡らす雨は
一向に止む気配を見せません

花器に
手折った数本の芒と一枝の萩を
無造作に入れ
恨めしげに外を眺めておりました


さらさら
 さらさらと
背後に動く気配を感じ
見れば
硝子を伝う滴が
外灯に照らされ
影となって
部屋の壁を流れるのでした


外は雨、

硝子の雨、

私に雨、

流れる時間を目で追って
それもまたよいように思え
芒と萩を見やってから
静かに瞼を閉じました
 
 


自由詩 雨降り十五夜 Copyright LEO 2006-10-07 01:57:41縦
notebook Home 戻る