りんどう
銀猫

この時を封じ込めるように
祈る

静かな瑠璃色は
両のてのひらを祈りのかたちに
そこに少し息を吹き込むようにして
そっと閉じていて
ひそやかに夢を育んでいる

あなたは
わざと大雑把に花瓶に挿しては
願いに秘密の色を濃くしている

わたしは謎を解き明かす策が尽きて
ただ
じっと花の向こうと花芯を透視して
幸福だとか
平穏について
想像をしてみる

てのひらを
祈りの
かたちに
少しずつ息を吹き込むように
りんどうの瑠璃
秋は秘密裏に

祈り





     〜秋の詩花集より〜




自由詩 りんどう Copyright 銀猫 2006-10-04 21:47:27
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あきの花