バウムクーヘンのように
プル式

隣を歩いていた君の右手が
隣を歩いていた僕の左手と
ごっつんこしたから
僕らはそのままなんとなく
手を繋いで歩いた

映画を見ていた君の手が
映画を見ていた僕の手と
ごっつんこしたから
僕らはそのままなんとなく
手を繋いで映画を見た

向かいに座った君の手が
向かいに座った僕の手と
ごっつんこしたから
僕らはそのままなんとなく
手を繋いでお酒を飲んだ

少し酔っ払った君の目が
少し酔っ払った僕の目と
ごっつんこしたから
僕らはそのままなんとなく
はにかみながら空を見た

声をかけた君の唇が
声をかけた僕の唇と
ごっつんこしたから
僕らはそのまま溶け出して
どきどきしながらキスをした

これを読んでる貴方にも
これを読んでる貴女にも
つづきは内緒
だって僕らはなんとなく
幸せが始まったばかりだから


自由詩 バウムクーヘンのように Copyright プル式 2006-09-21 22:55:18
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恋の歌