水と手(青の日)
木立 悟




雨水と目
異なる振れ
そよぎ そよぎ
添えられる手


建てかけの家が揺れている
手にすくわれた水の底
見つめる息と
同じ色をして沈む音


そこに ここに
残る響き 残される像
欠けつづけながら踊るもの
欠けても欠けても 在りつづけるもの


地に平行に輪を描く
細い光の線があり
とどろく青い音となり
空のはずれを震わせる


濡れた両手に映るそのまま
淡くひそかな双つのもの
暴かれても 暴かれてもなお
ひそかなもの


はじまりとみなもとの重なる日
空に残る輪の軌跡から
ひらめきは耳に触れにくる
静かな色を告げにくる














自由詩 水と手(青の日) Copyright 木立 悟 2006-08-27 16:04:01
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