水と手(青の日)
木立 悟
雨水と目
異なる振れ
そよぎ そよぎ
添えられる手
建てかけの家が揺れている
手にすくわれた水の底
見つめる息と
同じ色をして沈む音
そこに ここに
残る響き 残される像
欠けつづけながら踊るもの
欠けても欠けても 在りつづけるもの
地に平行に輪を描く
細い光の線があり
とどろく青い音となり
空のはずれを震わせる
濡れた両手に映るそのまま
淡くひそかな双つのもの
暴かれても 暴かれてもなお
ひそかなもの
はじまりとみなもとの重なる日
空に残る輪の軌跡から
ひらめきは耳に触れにくる
静かな色を告げにくる