「 余白。 」
PULL.







わたしの余白には言葉を埋めないで、
どうかそのままにしておいて下さい。
あなたが埋める言葉はとても想いので、
ふたりはいつも沈んでしまいます。

句読点のない文章からは大切な何かが、
失われてゆくように感じるのです。
わたしの句読点はわたしの足跡、
足跡を辿ってわたしを読み返すのです。


あなたのものでない言葉からは、
あなた以上にあなたを感じます。
盗んだ言葉を返してくれなくても構いません、
わたしは失って得た余白を愛おしく想います。








 この余白には誰も入れない。
わたしのものでしかない余白。
だから何も言葉を埋めないで、
このままにしておいて下さい。


誰のものでもない余白が欲しい。
そう綴ったわたしの足跡は、












           了。



自由詩 「 余白。 」 Copyright PULL. 2006-08-22 15:40:22縦
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