ハッカ水
水在らあらあ




自転車から転げ落ちた
右の頬の痣と 切れた唇
またそんなに酔っ払ってさ
殴りあう暇があったら
海を見な
切れた唇に
寄せる さざなみ

笑い声は
痛いこともあって
七色だな
ホテルのネオンが
もう少しやる気だった
ハッカ水の 僕の血液は
七色だな 星が飛んで
ケーサツが来て 君が叫んで
しかしまあさんざんだ
あんな大勢でひどいや
いや手だしたのは お前が先だろう
もういいから早く家に帰れ
泣いてる彼女いるんだからもうおとなしく帰れ
ああ そうだ 確かにそうだ 
おまわりさん ありがとう
君が 
七色だ
もう少しやる気だった
ハッカ水の 僕の血液は

僕がいなくて 君がいいこともあるんだね
君がいなくて 僕がいいことなんてないのに


包丁研ぎの笛の音で
目を覚ました
首筋の痛みに
この国の若者たちの
未来を感じ

痣になった頬を
ひっぱたいてから
切れた唇に
君が口づけるから

「僕がいなくて君がいいことなんてないんだね」
「はじめっからいなければ良かったのよ あんたなんか」

なあ、
君と一緒だからいいんだ
ハッカ水のぼくの血液は

甘酸っぱい君の血を僕の血で割って
日当たりのいい部屋で
二人で
しゅわしゅわ
涼しい音を立てていればいいんだ






自由詩 ハッカ水 Copyright 水在らあらあ 2006-08-22 01:47:02
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