蒼白の月
Rin K


眠れぬ夜が
大きな口をあけ
数珠繋ぎの言霊を
ひとつ食み
またひとつ食み
私をおいて
月の光ばかりが蒼白く
           強くなる

溢れた涙を
瞳に返せはしないけれど
時計を狂わせても
二度と抱けはしないけれど
思影でないあなたの白い輪郭を
心を以ってなぞれるのなら
重なる時間に乾かぬ傷を
心を以って舐められるのなら
あなたを感じて言葉を繋いでいきます

眠れぬ夜にまた呑まれても
あなたを覚えていられる強さがほしい
       蒼白の月
            まだ漂って


自由詩 蒼白の月 Copyright Rin K 2006-07-31 00:06:40
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