詩が好きなんです、多分。
仲本いすら

「人に語りかけるような、優しい口調の、飾らない言葉で綴った詩を描きたい」(僕にとって詩は風景画と似た感覚なのであえて「描く」と表記します)

そう思ってたはずだったんです。

かっこいいことはいえなくたっていい。
ただ、自分の気持ちを比喩だの倒置法だのそういうめんどくさいもの抜きにして
素直に表現できたらそれでいいって

そう思ってたはずだったんです。


でも、だんだんと
少しずつ、別に誰かのせいってわけじゃないのだけれど
誰かのせいで、僕は詩にかっこよさを求め始めた。

たしかにかっこいい詩ってのは大事だとおもう。
と、いうよりも詩にもかっこよさは大事なんだとおもう。

そのかっこよさっていうのは、モデルなどが着てるかっこいい服とか
そういう部類の「かっこいい」ではなくて

「ねぇ、見てよあの人。全員ラフな格好なのに一人だけスーツよ」

「ほんとだー、まじめ気取っちゃってバカみたぁい」

とか言われちゃうそのスーツの男のかっこよさ。
(あくまで持論ですがね)

そういうかっこよさが大事なんだと思うんだ。


でも、だんだんと僕の詩には
モデルみたいなかっこよさを求めるような、そんな傾向が出てきた。気がする。

今だってそうなのかもしれない。


それでも僕は今でも
「人に語りかけるような、優しい口調の、飾らない言葉で綴った詩を描きたい」
と思ってるんです。

「巨乳な女の子とヤりてぇなぁ」とか「楽して金稼ぎたいなぁ」とか
そういう誰もが頭にすこしはあるような願いとおなじくらいのレベルかもしれないけど

確実に僕の心は
「人に語りかけるような、優しい口調の、飾らない言葉で綴った詩を描きたい」

そう思ってるんです。


そんな僕でも、詩人を名乗っていいのか?なんて

そんなこと聞いたりしません。


「おまえ、結局何が言いたいの?」なんていう人もいるかもしれませんが


結局僕が言いたいのは




詩が、好きなんです。


そういうことなんです、多分。


散文(批評随筆小説等) 詩が好きなんです、多分。 Copyright 仲本いすら 2006-07-28 19:59:58
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