夜   晩夏
武富諒太

欠けていく
月のもとで
君と愛し合う

風に呼ばれ
二匹の猫と戯れて
君を味わう

曼珠沙華の色と
虫の音が
君を満たしている

少し
湿った空気が
君と共にある

この世界に
生まれて
君を愛さないという法はない

水たまりや
人気のないビルに
君は溢れている

ヒトは
夢の中で
君を思う

僕は
下弦の月のもと
君と愛し合う

やがて
朝日がめぐるまで







自由詩 夜   晩夏 Copyright 武富諒太 2006-07-24 00:27:25
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