*☆に願いを*
かおる


年に一度の七夕当日は朝から
日常の憂鬱が蓋をしたような曇り空
地球全体を水の中に
沈み込ませたようで
纏わりつく湿気で少しだけ呼吸困難かも
空が泣き出すのは時間の問題かな
定時にさらさらと飛び出すはずが
月曜提出の稟議書をやっとまとめ
窓の外に目をやったとたん
接触してきたあらい君が持ち込んだ重大案件に謀殺
暮れていく空に目を止める暇もなく
あぁ、終電間に合うのだろうか
雨降らないや
東京の空は夜になると
降ってくる☆に負けずに
色とりどりのネオンや
摩天楼の警告灯が賑やかで
間違えて願い事をしても
叶えてくれそうなかみさまが
どこかに隠れている気がする


自由詩 *☆に願いを* Copyright かおる 2006-07-07 22:09:39
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