草の上、翼の下
吉岡孝次

一体どこにいたのかと
なぜ自分が見えるのかと
だから記憶には創られたものがある
虫も緑も陰る飛行場の近くに
住まったことはない
白シャツを着たことはあっても
レフを当てられたことはなかった
ゆえに少しばかり絵になるくらいのことで
そんな自主制作くさいコンテに
こだわるな
なかったことだ
それよりは一字一字が画然とした
詩を


夏空へと目を上げた
少年の身の置場のなさへ


消しても消しても爆音なき
自由へ


自由詩 草の上、翼の下 Copyright 吉岡孝次 2006-07-01 08:18:18
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