夢のつづき
銀猫

ソーダの泡のような微睡みのなかで
懐かしい とても懐かしいその面影に出会った

記憶の深くに留めようと
すればするほど
表情は淡くなる
ならばこの夢でだけ覚えておこうと
思い切りこころを凝らす

   昨日までのすべてを語りたい
   或いは
   わたしの今を知らせたい

そんな風に
焦っているうち
いつしか
懐かしい影は
わたしに寄り添うように
重なり 重なり
自分の横顔だけが取り残された


真昼の転寝には
遠い日からの夢が続いているらしい

   わたし
   何を伝えたかったのだろう
   本当は夢でなく


不意に過った風は
微かに柑橘系の匂いがした


自由詩 夢のつづき Copyright 銀猫 2006-06-30 21:14:17
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