スワローテイル
恋月 ぴの

今年も古い母屋の軒先に
つがいの燕が巣作りしました
生まれたての可愛い雛たちは
親鳥の帰りをひたすら待っていて
精一杯の幼い首を伸ばして
甘えたような鳴き声あげている
(なんだか可愛いな
以前なら何も感じ無かったのに
揺れ動くことなんか無かったのに
何かが堰を切ったように溢れて出して
わたしも巣を作りたくなったのかな
あのひととの巣作り
大切なものを身篭ったりして
(もえちゃんみたいにはなれないけど
(一度ぐらいなら着てみたいかも
ヴァージンロードを
ゆっくりと
白いドレスを踏まないようにして
神父さまの前で
あのひとが緊張しきって待っている
似合わないと思ってたけど
なんだか男前すぎて
黒い上着はぴょこたん跳ねて
六月の晴れ間に
スワローテイルが宙返り
わたしの投げる花束ブーケ
明日を夢見る虹の掛け橋



自由詩 スワローテイル Copyright 恋月 ぴの 2006-06-28 08:06:41縦
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ラヴ・ジェニック