自由なさようならをぶらさげて
藤原有絵

いつも気ままに飛び出してしまって
思い出した頃は
誰かが困った顔で探している
それを勘違いではないと
知ってしまっても

気ままさに抗うことなく
衝動にはいつでも素直に生きようと決めている

繋がれていないよ
繋げているだけだよ

鎖なんてぶらさげてないよ
さようならはたくさん持っていますよ

知らない街ですれ違う
初めましての素敵な人
見知った街の路地裏こにゃんこ

ハミングとかしていると
私を知っている人に遭ってしまう
恥ずかしさを唇で結んで
いつものさようなら

自由に出会うから
自由にさようならもできるのです

もう会えないさようらなも
また明日のさようならも

自由だから
失せる事はないのです

さようなら
帰ります

さようなら また
おかえりなさいが待っていますので



自由詩 自由なさようならをぶらさげて Copyright 藤原有絵 2006-06-26 00:19:06
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