わわく ろらん
あおば






わわくとは衣がほつれるという意味のようで
ろらんとは人の名のような電波航法のような
いずれにせよタイトルの意味が分からない
分からない場合は食事をしてからニュースを見て
あさっての方角に思いをそらす
きのうはどこにもありませんようといいながら
いかのぼりが尾っぽを揺らす
空をみている猫はいつだってよく分かった顔をして
長靴を光らせて大通りの真ん中を歩いてくる
鮒も真鯉も池の中では目立たないから河にでて
色を付けて金魚になったり
錦鯉になったりして
人間界をゆぅるりと泳いでゆく

名門高校を舞台に繰り広げられる
テレビドラマを地でいくような
転校生と在校生との意識の相違から
クラス内に目に見えない亀裂が広がり
緊張感も限界にきて
生真面目な委員長が辞任して
学級内では呉越同舟の舵をとる者もなく
目覚めた昨日の虞美人は自己確立の道を歩む




カラメルをとろり煮る午後猫が鳴く昨日はどこにもありませんよう
吉田優子

凧(いかのぼり)きのふの空のありどころ
与謝野蕪村

作2006/1/24 



未詩・独白 わわく ろらん Copyright あおば 2006-06-24 02:18:32
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