鳴く電灯
あおば





今時の奴らと来たら
交番電流も知らないで
偶に停電すると
あっ、直接放電なんて訳の分からないことを叫んでいる。

北の宿にも電灯がともり、雪解けのせせらぎがあわただしく駆け下りて行く季節には、
富士五湖には、蓮華が真っ盛り、落とした車のキーを探すのは殆ど不可能に近いのだ。
しかし、運の良いことに、すぐ見つかって、窓ガラスを開けるために修理屋さんのドアを叩かなくてよいことになり、せせらぎの中で震えている、沢蟹の親子を踏みつぶしたりしなくてよいことになりました。
これは功徳でしょうか、それとも気が利かない交番電灯の気休めなのでしょうか。
古くさい電車が走ると地磁気が乱れて困ると言われて、交番電流で新車を走らせた、常磐線のような前例があるから、電車はまっすぐに走るものだと思っていたら、互い違いに綾なして赤青緑の信号のように聞こえない音を鳴らしながら、新幹線電車が轟音を立てて、高架橋を横切っていくのが見えた。
なかない、なきます、鳴くとき、鳴く電灯は、交番電流と仲がよいので、テストの前なのに刑事さんに怪しまれ、交番のお巡りさんに連れられて、交通事故の現場検証にかり出されている。




交番電流 交流のこと、古くさい言い方。(Alternating Current, AC)



(2006/06/22(Thu) 00:04:11)


未詩・独白 鳴く電灯 Copyright あおば 2006-06-24 00:19:46縦
notebook Home 戻る