とにかく行き交う黒
こめ

飛び回り爆発的に着陸して

僕の血はそう黒かった

額から流れる血は

涙のように感じた

カメラのシャッター飛び交うたびに

僕の光は弱くなっていく

大空に掲げた僕の龍のような

黒い翼は不敵に笑う

月の色はもう月食して

白に見えなかったよ

つむじ風吹いたら

世界は暴走熱気に包まれる

手当たり次第に壊せる物はぶちこわし

手のひらに燃える炎は

完全燃焼型だった

不気味な黒猫は

塀の上から醜く泣き叫ぶ

黒だけの壁画のなかに

世界はなかった

黒い瞳の中にわずかに

光る超伝導体

次に来るバスはあと不可思議年後だった

黒黒黒黒黒

クロクロ黒くろくろ

ブラックとにかく行き交う黒はもう

裏切りの連続

世界は黒しかなかったら

暴走害虫でしかないだろう


自由詩 とにかく行き交う黒 Copyright こめ 2006-06-23 21:49:27
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