片側想い
霜天

いつも、片側想いだ
7つ角を潜り抜けて
それでも、
空の側面にはなりきれない
いつも垂直に切り立つあなたの、
夕暮れ
薄い化粧も、追いつくことをしない
少女、の

目を凝らして、見えない記憶を作り上げる
思い込みと錯覚
と、切り捨てられない10%、の


片側想い、なら
蹴り倒すことも出来る
指先をそっと、丸めて弾く
窓から突き落とすこと、だって
自分のひとり、ふたりを消費して
手招き、
続けていくのは
積み残した宿題
ひどく透明なもの
少年、
その半分

ひとつの季節の輪郭
なぞることも出来ない
越えていけないものは地図の上の点、と
それと、



あたたかい夢を見た後には
毛布がとても恋しくなる
そんな季節じゃないことも理解できるから
凍えるしかない



それから、
窓を開けて煙を吸い込む
ひたひたとよせてくる人のかたち
今も夕暮れるあなたの側面だ
添える影にほんの少しだけ、
泣いてみせる
それは、記憶と錯覚
と、切り捨てられない10%の、

少年の声、も
少女の指先
いつも側面だ
片側想い、


自由詩 片側想い Copyright 霜天 2006-06-22 00:15:42
notebook Home 戻る