Morning Blue
恋月 ぴの

どうやら朝を迎えたような気がする
朝の日差しに目覚める窓ひとつ無い部屋
暗闇に閉ざされたキューブとでも
例えられそうな この狭い部屋のなかで
確かに感じられるのは
未だ眠りから覚めぬあなたの寝息と
引き締まった二の腕の危うさ
ちりちりと萌えるような男らしさに
軽い口付けを添えてみる
(誰かとここへ来たことあるのかな
(初めてにしては一度も迷わずに
(こんなところまで車を走らせてきて
けばけばしさに彩られた
生命の吐き出すケダモノ臭さ
誰かが忘れていったリップブラシは
ちらつく間接照明の瞬きとなって
脱ぎ散らかしたふたりの下着を照らし出す
名ばかりのナイトテーブルには
見知らぬ愛の軌跡を綴ったノート
出逢ったばかりの若いふたりが
ひとときの楽しさを求め
欲望と愛情をすりかえては
重ね合すかたちとかたち
何かを信じたい気持ちが満ち溢れ
今にも壊れてしまいそうで
「あなた」と「わたし」
何だかひとり目覚めた寂しさは
透き通った朝の日差しが恋しくて
あなたのティーシャツを素肌にまとい
「幸せなわたし」ってキャラを演じてあげる



自由詩 Morning Blue Copyright 恋月 ぴの 2006-06-16 10:23:58
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