カイロス
信天翁

あなたはうしろを振り向こうともしなかった
街角を曲がる郵便配達員のように
   (あなたが魂に呼びかけてくれた
    啓示は風でとぎれる幻想となって・・・)

結局 あなたはうしろを振り向いてはくれなかった
波頭と戯れるサーファーのように
   (あなたが宙に浮かべてくれた
    トルソは光でゆれる幻影となって・・・)

あなたは黒い鉄拳でぶちこわした
私のゆがんだ背骨の蝶番を完膚なきまでに
さりげなくこんじきの四次元を奪いとりながら

あぁ もつれあう想いの糸は
どのように解きほぐせばいいのでしょうか
北風はもとより南風さえも教えては呉れません


   



自由詩 カイロス Copyright 信天翁 2006-06-09 21:46:21
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