夏至線
落合朱美

満たされぬくらいでちょうどいい恋を笑えるほどの余裕もなくて


降りそそぐ陽射しの下で抱かれたい滴り落ちる果汁のように


日没を待ち侘びながら夕化粧君の前ではオンナでいよう


短夜は熱帯果実の匂い立つ北回帰線をなぞる指先


愛された昨夜の背中の記憶など忘れたふりでプラムを齧る







短歌 夏至線 Copyright 落合朱美 2006-06-08 22:24:40
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