薔薇手錠
虹村 凌

右に花束左に手錠
世界が100人の俺だったら
消費税なんて必要無いのに

右に花束左に手錠

蝸牛の歯の様で噛み砕いて押し込む肉片
私は月夜の晩に夢精する
風呂場に沈む幾重もの越中褌
其れ以上眠れない夜には
羽織袴で闊歩する
打ち鳴らされる下駄は
まるで薔薇手錠 薔薇手錠
サンピン達の前を冷静と恐怖の間で通り抜ける
打ち落とされる煙草の灰は合図
ゲシュタルト崩壊的歌詩
雪崩式スープレックス的詩歌
吟遊詩人による詩吟オペラ的朗読
眼球を突き刺す国家権力の赤い光

あぁ
右手に薔薇の花束
左手には鈍銀の手錠
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自由詩 薔薇手錠 Copyright 虹村 凌 2006-06-06 22:17:51
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