末に摘まれし花
落合朱美



因果応報ってあるでしょ。
アタシの今の姿が前世の報いだとしたら
アタシの前世はきっと絶世の美女だったにちがいない
で、寄って来る数多のオトコを食いものにして
ずいぶん泣かせたんだろうな。
 (なるほど。そういう慰め方もあるのか・・・)

それにしても式部だかなんだか知らないけれど
いったいなんの権限があって
 (いや権限っていうか、作者だから・・・)
アタシを随分コキ下ろしてくれたものじゃないの
鼻が長くておまけにその先が紅いんですってよ
レインマンじゃあるまいし、まったく失礼しちゃうわ。
 (それを言うならエレファントマンだろ・・・)

まぁ、でもアレよね。
アタシの唯一の取り柄といったらこの奥ゆかしさ?
 (自分で言ってりゃ世話ないわ・・・)
けっして出しゃばりはせず、あの方をひたすら信じて
待ち続けたのが勝因だったわけ。
 (っていうか、待つしかなかったという説もある・・・)

待てば海路の日和有り。とか、
石の上にも三年。って言うじゃない
あー、果報は寝て待てっても言うわね。
 (けっこう言葉知ってるじゃん・・・)
おかげで晩年はあの方の庇護を受けて
生涯幸せに暮らすことが叶いましたの。
 (めでたしめでたし・・・)

えっと、結論。
要するにオンナは顔じゃないよハートだよ
 (いつかどこかで聞いたフレーズ・・・)
それから黒髪はオンナの命ですとも!
 (そそ。それにヤツは騙されたのよねぇ・・・)





自由詩 末に摘まれし花 Copyright 落合朱美 2006-05-28 01:25:53縦
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