稲光る朝  
あおば

    

稲光る空の朝
君の心はそのままに
俺の心を地に埋め
激しく雷鳴が轟く中を
青白のGSXR走らせる

確信の空裂けて地覆り
神の憤怒と輪廻の激流
堕落を呪う青白い稲妻
数多の虚しい者を殲滅し
住み慣れた奇蹟の地平
偶然の時、創世の記憶
DNAの暗号を消去して
貪り飲み込む己の死体

春の日を戯れに追い回し
幻の消えゆくを惜しむうち
麗しの女神にほだされた
悪魔の俺は主義を捨て
人間の姿をしたままで
古くさい偽りの恋をした
一人の女を食べ尽くす

飽食の世は昨日のことで
明日は餓死者が待機する
嫌らしい黒い魂、買い漁れ
手当たり次第に食べ尽くし
子供のままの顔を取り戻し
優しい美の女神を切り刻み
俺だけに許された地の底で
素朴な信仰の証を立てるのだ




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2001/04/21(Sat) 04:21
WEB"MEW" 投稿したものを修正。
GSXR バイクの名称





自由詩 稲光る朝   Copyright あおば 2006-05-19 02:03:39
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