砂流歌
アマル・シャタカ

砂の上に
時をばらまいた
風が吹いて
時間が流される

帰らざる時の終わりに
横たわる
あなた

打ち寄せる波間は
遠き日の思いを映す

思いが心を焦がす前に
光よ
わたしを貫いて

足りないものだけが世界を作り
必要なものはすべて
生まれなかった

せめてもの思いを
砂上に書き留めたけど
風に流され波にさらわれた

今日もわたしは
ここにいる
何もないわたしは
足りない世界で
誰かの足跡を見つけ
そしてじっと
消えゆくのを眺めている


自由詩 砂流歌 Copyright アマル・シャタカ 2006-05-17 02:15:53縦
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