落下散
アマル・シャタカ

恋は落下するものだ
突然上から落ちてくる
だからって
見上げてばかりじゃ首も疲れる
受け取れても
恋は落下するものだ
やがて手からぽんぽろりん
やがて目からぽんぽろりん

恋と一緒に落ちてはならぬ
あの恋この恋どの恋も
人よりもっと落下して
神話となりて天に帰す
でも人は
土に還るだけだから

恋は重力呪力
引き込まれて沈みゆく
この惑星の産物

だから私は海にゆく
波に抱かれに愛に抱かれに
少しでも重力に逆らうために
見上げた夜空に星が流れる
誰かの恋が零れていった

漂う波間に聴こえる歌が
私を眠らせる震わせる
落下した多くの恋がこの星の核となり
と歌う声

見上げた宇宙(そら) 無重力 本当の愛
私にはあまりにも
遠い彼方


自由詩 落下散 Copyright アマル・シャタカ 2006-05-10 00:33:19縦
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