花葬 (かそう)
こしごえ

小鳥のあおいへ




君の目の
レモンのかおりするかたちで青い輪にふちどられた高く清んでいる空

少女だった
君は、
妻になり
母になり
私の恋人でもあって
今日、ひつぎに羽をうずめた。
雨上りの空が、
風できらきらと晴れてゆく

裏庭に向日葵の苗を植えました

月日が経ち
草花になった風の影
青く青い青空
日に透けた花びらが
ひんやりと羽ばたいている
潔い風のかおりに
今日も、二度とは来ない現在(今の時間を
ささやいてもいい)になりました
全身で輝く空気を呼吸している向日葵
笑顔かしら


あでやかな
まなこに流星の
いとつめたきさま

その横顔は
青く境界し
ほのかな次元
眼指まなざし透けて

恋に焦れて
(なんて・・・
蕾は、
深紫に
はちきれんばかりに轟いて

君の
進む道は、
ひとすじであるか
銀河の雲へ
視線
まるくゆれてゆらぎ

向日葵の指切り。
今日が、青く傾く
しゃわりと


君の目の
レモンのかおりするかたちで青い輪にふちどられた高く清んでいる空の

永い眠りから覚めたような






自由詩 花葬 (かそう) Copyright こしごえ 2006-05-08 16:48:04
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